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タワーマンションの恋人
第10章 * シュウタ
掴みどころが無い人、それが彼の第一印象だった。
特に手の加えられた形跡のない無造作な髪に薄い二重のあっさりとした顔。
だからこそ、端正な顔立ちでパーツ配置がいかに繊細かがわかる。
綺麗な鼻筋から顎先まで美しいEラインが描かれていて、なにか内側から発光するような尊さすら感じた。
VネックのTシャツにブラックの細身のパンツ
細身でスタイルの良い彼にはよく似合っていた。
ぱっと見だと、正直年齢は不詳。
年下にも見えるし、年上にも見える。
基本的には童顔なのかもしれない。
奥原さんから聞いていた彼の情報。
真面目すぎるくらい仕事に一生懸命。
ようやく若手実力派として日の目を見はじめてる存在だということ。
今までも、息抜きにと、何人かの女の子に会わせているものの、誰にも手を出した形跡が無いと言うことだった。
そんな前情報を元にドキドキしながら、ファーストコンタクトを迎えたのを覚えている。
「こんばんは、初めまして。」
「こんばんは。」
想像よりずっと落ち着いた声で彼は答えてくれた。
耳馴染みの良いその声に少しだけ、ドキっとしたのをわたしは今だに覚えている。
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