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タワーマンションの恋人
第11章 * 虚像





「シオン、おはよ。」


そっと髪を撫でて起こすと綺麗なアーモンドアイが瞬きをして視線が絡む。


「っ…俺いつ寝た?」

「わたしがお風呂から出たら眠ってたからね?よく寝てたから、起こさなかったの。」

「ん、そっかぁ」

やわやわと話しながらわたしを抱きしめベッドの中で足が絡む。


「よく寝れた?」

「うん、久しぶりにぐっすり。なんか、最近1時間置きとかに目が覚めてたから…すげー寝れたわ。」

「なんだか、顔もすっきりしたよ?」

「まじ?ならよかった。安心すんだよね、華のそば。うわー!でももったいねぇ、寝ちゃったかぁ…。」

「たまには、良いんじゃない?ね?よく寝れたわけだし。」

「まぁ、ね。」


符に落ちない様子で返答すると、そっとキスで唇を塞がれる。


今までとは違う、柔らかくてふわりとしたキス。
そのまま頭を抱え込まれて、窒息しそうになるほど続く。


「んっ…はぁっ…」


なんとか酸素を得ようと唇を離そうとしても、すぐに閉じ込められる。


そのうち、彼の手が胸に触れる。


「ブラしてない…」


「だって…」

「抱かれるつもりだったんだよね。ごめん、寝ちゃって。」


「はぁっ…んっ…」


「華の身体、柔らかくてきもちいい。」


そう言って両手で優しく揉み上げられると、体の力が抜けていく。


「抱きたかったなぁ、もう出なきゃだ、俺。」


まだ薄暗い早朝から彼の仕事は始まる。


「シオン…」
名残惜しくて胸にある彼の手にわたしの手を重ねる。

「華、お願いがあんだけど。」

「ん?な、に?」

そっと耳に唇を寄せて彼が言う。




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