この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タワーマンションの恋人
第3章 * ケイタ
「…なんか、気がついたら働くことになってた」
少し笑ってなんとなく濁せば、ケイタくんも
「そっか。」と笑ってソファに腰掛けた。
釣られるようにわたしも隣に腰掛けると視線が交わる。
「あっ!タメだからさ?俺のことはケイタって呼んで?」
「え?いいの?なら、わたしは、華って呼んで?」
そう言って笑い合えば、くすぐったい。
同い年とは思えなくらい幼くて可愛いその容姿にドキドキする。
「華は、さ。抵抗ないの?俺、初対面じゃん?」
初対面のケイタとこれからすることになるであろう、行為についての質問だろう。
「正直、ある、よ?彼氏以外の人とシたことない、し。本当はすごく緊張してる。」
そう伝えれば、ケイタが少しだけ近づいて顔を覗いてきた。
「今の、ちょっと可愛いって思っちゃった。」
落ち着いた声で言われると、単純に胸が高鳴る。
「なら、演技しよっか。俺は、明日の朝まで華の彼氏。華は俺の彼女。…なんて。」
そう伺うように笑うから
「ケイタは彼女居ないの?」と尋ねれば
「俺、18でこの世界入って、死ぬ気で周りに追いつこうって必死だったから、もう4〜5年彼女いないや。」
「ずっと、真剣に仕事に向き合ってきたんだね?」
そう伝えれば柔らかく笑って頷いた。
「なら、明日の朝まで、ケイタの彼女にして?」
そう言えば、彼の手が頬に伸びてくる。