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タワーマンションの恋人
第13章 * 痕跡







目が覚めるとローテーブルの前で何か作業している彼と視線が合う。



「あ、起きた?」


「…ごめんなさい、寝ちゃった…」


「いや、俺こそごめん。よく寝てたから俺がベッド行く時に運ぼうと思って、そこ寝せっぱなしにしちゃった。」


「ううん、ありがとうね?え、どのくらい寝ちゃってた?」


「2時間くらい?疲れてんだね。」



ひとしきり求めあったあと、お風呂に入って彼が戻ってくる前にソファで寝てしまったようだった。



「シュウタくん、なにしてたの?」

ソファから彼を覗きこめば「台本、読んでた。」と何冊かの台本が置いてある。


ソファから降りて彼の背中にそっと抱きつく。


「なに、急に。」
静かなトーンで言うから「ん?シュウタくん格好いいなぁって思ってさ?」と肩から顔を覗かせて表情を伺えば、笑顔を堪えるような表情。



身体の向きをそっと変えて、わたしを膝に乗せてくれる。


「ごめん、あんな抱き方して。」


真剣な顔で言うから、首を横に振る。


「シュウタくんは…」


「ん?」


照れてしまうから顔が見えないように彼に抱きつく。


「シュウタくんに愛してもらえるの、嬉しい。気持ち良かったよ?」


「今日はやけに素直。どうしたの?」

そう言ってわたしの髪をそっとなでてくれる。


「シュウタくんに会えて嬉しいの。」


そう言えば、啄むようにそっと唇を奪われる。












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