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タワーマンションの恋人
第18章 * more




明け方目覚めれば、しっかり彼の腕に抱きすくめられていて。
目を開ける以外、身体が動かなくて朦朧とする。


抱きすくめる彼の腕をそっと撫でると「…華?起きた?」そう聞かれて「起きたよ。起こしちゃった?」そう聞けば髪にそっとキスされる。


「起きるの待ってた。」

「本当に?寝息が聞こえたよ?」

「待ってたのー。待ってたんですー。」

可愛いじゃれるような声がして笑うけど、身体が重くてその動作すら響く。



「シオン…?」

「ん?」

「身体がびっくりするくらい重い。」

「当たり前っしょ。どんだけ抱いたと思ってんの。」

「数えられないくらい…。」

そう答えると優しい笑い声が聞こえて頭を撫でてくれる。


「頑張ってくれてありがとう。」

「最後の方、あんまり記憶ないよ?」

「大丈夫、俺は覚えてるから。」

そう言って次第にまた彼の手がいたずらを始める。


「どんなに抱いても、もっと欲しくなる。華じゃなきゃ、満たされないんだ。だからごめん、こんな抱き方して。」 



「シオンは、わたしで満たされる?」

「うん。満たされるよ。華しか満たせないよ。」

「ならよかった。わたし以外で満たされちゃ、やだよ?」

「そういうの、どこで覚えたの?可愛すぎ。」


そう言って深いキスで、また溶かされる。






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