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タワーマンションの恋人
第3章 * ケイタ
熱めの湯船に浸かり、ふと冷静に考える。
セックスがこんなに気持ちいいものだと、忘れていた。
クラブ勤務を本職にしてからロクに彼氏も作らず、男なんて…。と思ってる部分が多かったから。
セックス自体ひさしぶりだった。
今日だって初めはもちろん、仕事だと割り切っていたのに、気がつけば彼を心底求めて快楽に溺れていた。
相手は仮にも芸能人、それだけで感度も違う気がした。
そして、なによりも驚いたのはケイタの白濁液を自分で舐めたこと。
過去にも何度か口に放出された経験はあるけど、
あの苦味、喉に絡みつく嫌な後味が嫌いで、口にするのはなるべく避けて来たのに。
目の前に居る、この綺麗な容姿の男の液を舐めてみたいと思った。
「おばかさん?」と笑ったケイタを見て、そういう反応を望んでやった行為のような気もするし、本能的にやった行為のような気もする。
ただ言えることは、
ケイタには可愛がって欲しいな。そう思った。
そして漠然と、この仕事を引き受けてよかったかもしれない、自分には合っているかもしれないと考え始めていた。
無条件に存在を求められる感覚は満たされるし、
ここなら身体も満ちていく。
それはクラブで働き始めた時に感じた感覚とどこか似ていたから、深く考えずに、流れに身を任せよう。と心で繰り返した。
わたしはそうやって生きてきたのだから。
今はただ、また疼き始めているこの身体を満たしてほしくて、わたしはまたケイタの元へ向かう。