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タワーマンションの恋人
第20章 * Compatibility
ふと目を開けると白い天井
起き上がろうとすると腕に鈍痛が走って、腕を見下ろせば点滴に繋がれている。
「華!」
呼ばれて横を見れば奥原さんがいて、両手でわたしの頭を抱き締めるように撫でる。
「病院…ですよ、ね?ここ…」
そう呟けば反対側から聞き心地のいい大好きな綺麗な声が聞こえる。
「倒れたんだよ、覚えてない?」
ゆっくり首を動かせば、そこにはシュウタくんが居て。
「本当に焦ったんだぞ」とベットの横にしゃがみ込んで小さな声で「よかった、」と呟いた。
回らない頭で思い出そうとするけど、上手く思い出せずに黙っていると奥原さんが教えてくれた。
「華、あなた過労で倒れたのよ。貧血の症状もあるって。ごめんね、わたしがもう少し様子見てスケジュール整理すればよかったわ。」
申し訳なさそうに言う奥原さんに向かって首を横に振る。
「違うんですっ…。体調管理できないわたしが悪かったんです。本当にごめんなさい。」
思った以上に小さな声になってしまった。
「シュウタくんっ…」そう声を掛けると「大丈夫だから、謝んな」そう言って「飲み物買ってくるから、ちょっと外す」と告げて病室を出て行った。