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タワーマンションの恋人
第3章 * ケイタ
起き抜けのケイタの顔は昨夜の男の顔とは打って変わって、本当に幼くてかわいい。
小さな顔に朝食を詰め込む姿が可愛くて見ていて飽きない。
「華はなんでも出来るんだね、才色兼備っていうの?」
「それは褒めすぎだよ。」
と、笑えばケイタは首を横に振った。
「本当だよ?だって…」
「だって…?」
「華みたいな子が彼女だったらいいのになぁ、って思うもん。」
そう言って照れ隠しなのか、少しかすれた声で笑うからわたしも照れてしまう。
「嬉しいっ。でも照れちゃうね。」
そう答えれば、少しだけ意地悪に笑ってから
「今更なにを照れるの?」
なんて聞かれるから、不意に昨夜の彼との行為を思い出してしまう。
「華、顔赤いよ?」
「だって…!」
「かわいいね、華は。寝起きだと幼くて尚更かわいい。」
「あ、それはわたしも思った!寝起きのケイタ、幼くて可愛いって。」
お互いを褒め合えば、やっぱり照れくさくて笑って誤魔化す。
「今朝の華見てると、昨日の華は別人みたい。」
「その言葉、そのまま返すよ?」
「いいよ、返さなくて〜。」
ケイタとは会話が途切れなくて楽しい。
同い年と言うのもあるかもしれないけど、きっと普通に出会っていたとしてもすごく仲良くなれたんじゃないかな、なんて思ってしまう。
「疲れたでしょ、ゆっくり休んでね?」
ケイタはそう言って部屋を出る身支度を始めた。
「ケイタも、お仕事頑張ってね。」
そんな会話をしながら玄関までの廊下をふたりで歩く。