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タワーマンションの恋人
第20章 * Compatibility
目を覚ますと隣には誰も居なくて。
溶けてしまいそうなくらいに身体が疲弊してる、だけど下腹部の怠さにはどこか甘さを感じて顔が緩く綻ぶ。
ゆっくり身体を起こし、新しいルームウェアをクローゼットから引っ張りだしゆっくりと気怠い身体を動かして身につける。
そんな動作も一苦労に感じて、すぐにベットに座り、横たわる。
しばらくすると静かに彼が帰って来て「あれ、起きた?」とベットサイドにやってくる。
「うん、起きたよ。」
「華、ちょっと来て。歩ける?」と言うから身体を横たえたまま首を横に振る。
「歩けない。」
そんなわがままを言ってみると、彼は優しいため息をついて、背中を向けてベットの下で跪く。
「ほら、おんぶ。」
また「ばか」って言われて終わると思っていたから「へっ?」と驚いた声を上げると「ほら、また倒れられても困るし。」と言って体制を変えない。
「本当に?乗るよ?いいの?」
「うん、おいで。」
その優しい声に誘われて身体を起こし、彼の背中にゆっくり体重をかける。
「重くない?」
「うん。言ったでしょ?華は軽すぎ。」
そう言って立ち上がるとベッドルームを抜けてリビングに向かう。