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タワーマンションの恋人
第20章 * Compatibility
「お互い明け方の空が好きなら、もしかしたらさ?いつか同じ空見てたかもしれないね?」
「うん、だね。」
そんな会話をしていると静かに空が開けていく。
夜から朝にむけてのグラデーションはいつになっても綺麗で、朝の新鮮な空気と相まって心も照らされていくような気持ちになる。
朝の空気を吸い込んで、吐き出せば胸のモヤモヤも一緒に出て行くような気がして。
「やっぱり、シュウタくんはすごいね。」
「ん?」
「会うとなんか、すっきりする。頭も心も。」
「そっか。」
そう言って少し笑うと彼も空気を小さく吸って、ゆっくり吐き出した。
「…シュウタくん、」
「シュウタ。」
「え?」
「シュウタ、で良いよ。つうか、抱かれてる時、散々シュウタ、シュウタってよがっといてなんで急に君付けに戻せるわけ?」
そう言われて、頬がかぁっと赤くなる。
「えっ?!やだ、そんな言い方しないでよっ!」
そう言って彼の肩をペシッと叩けば、声を出して彼が笑う。
「シュウ、タ?」
「んー?」
改めて呼ぶとなんだか恥ずかしくてぎこちなくなる。
「華。」
「ん?なーに?」
「好きだよ。」
突然の好きという言葉にフリーズする。
彼と出会った日からのことを思い出して、目頭が熱くなって温かいものが頬を伝った。
「初めてっ…好きって言ってくれた、」