この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タワーマンションの恋人
第21章 * girls talk
「さてさて、華ちゃんには聞きたきことが沢山あったんだよね〜。」
そう笑顔で身を乗り出すナナミさんの無邪気さに同性ながらキュンとする。
「まっすぐな子だから、きっとまた心が苦しくなってる頃かなぁって心配してたんだ。」
「ナナミさん…。」
「華ちゃんのことは、大体わかるよ?どんなに笑顔でも、電話で明るい声聞いても、なんとなく。前にも言ったけど、昔の自分、見てるみたいだなぁ、って。」
そう言って少し真面目なトーンになって1人の人の名前を出した。
「ハルキくん、今NGにしてるんだよね?なんかあった?」
そう聞かれると、思わず首を横に振ることしか出来なくて。
「…ハルキが悪いわけじゃなくて…、本当にわたしの勝手な都合で…」
そう答えて俯けば、ナナミさんの細くて綺麗な指がわたしの頬に触れる。
「心の中、言葉にして吐き出すとすっきりするよ?もし、わたしでよかったら聞くよ?」
そう言われて涙が零れそうになる。
考えることすら、やめていたハルキという名前。
言葉にしたら、きっと壊れてしまうと思っていたけど、言葉にしたら、なにか変わるだろうか。
今わたしは、わたし自身の気持ちが良くわからない。
そのなんのまとまりの無い気持ちを少しは話すことでまとめることが出来るだろうか。
顔を上げて、ナナミさんを見て深呼吸をしてから言葉を発してみた。
「わたしは、」