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タワーマンションの恋人
第22章 * romantic rival




その日の撮影が終わってからも、なんとなく心がすっきりしなくてまっすぐ足が家に向かなかった。



華が俺だけのものじゃないのは、初めからわかっていたはずなのに、なんでこんなにモヤモヤするのか。



久しぶりに足を踏み入れたクラブで時間を潰して、ふと腕時計に目をやると、もう夜の11:00。



フミヤのスマホに届いたメッセージを思い浮かべ、今頃、華とアイツは…、なんて下品極まりない幻想が頭に浮かんで振り払うようにアルコールを一気に流しこんだ。




俺と、過ごす時間だけ彼女になってくれる女の子。
それで良かったはずなのに。



実態のなかった(俺以外の男)の存在が明確に現れて自分でも驚くほどに混乱していた。




「っ…ムカつく、」


華に対してじゃない、フミヤに対してでもない。


こんな大人気ない感情に駆られる自分が情けなくて、ムカつくんだ。






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