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タワーマンションの恋人
第22章 * romantic rival
“華”
深夜1:00
自分の部屋に帰ってきてから、その名前の発信ボタンを押すかどうか、もう何分も迷っていて。
仕事中、決して彼女は電話に出ないから、絶対に出ないとわかっているけれど。
それでも、もしかしたら急にフミヤとは会わないことなってるかもしれない。
もうアイツだけ眠っているかもしれない。
そんな想いに駆られて、スマホを見つめている。
一言でも、彼女のいつも通りの声を聞いたら、安心して、なにも気が付かなかったふりをして眠りに就ける気がして、恐る恐る発信ボタンを押した。
本当に嫌なやつだよな、俺。
なんて自己嫌悪にかられながらも何度となくコールを聞いた。
あと、2回鳴ったら切ろう、そう思った時だった。