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タワーマンションの恋人
第22章 * romantic rival
そんな中、迎えた今日だった。
久しぶりのケイタとの仕事。
お互い忙しくなって、飯に行くことも少しずつ減っていた。
だけど、顔を合わせればすぐ以前のような関係に戻れるケイタとの関係がすごく好きだった。
だけど、ふと視界に入ったケイタの指輪。
また音を立てずに心が荒波を立て始めていくのを感じた。
ケイタから「好きな人」なんてワードが出たとき、聞かずにもわかった。
あぁ、ケイタも華のことが好きなんだよな、と。
なんで、部屋に指輪忘れたんだよ。お前が忘れなければ気が付かずに済んだのに。今まで通りの関係で居られたのに。
そんな思いが頭をぐるぐる巡って、イライラして苦しくなって。
なにも知らないケイタが俺と華との連絡のやり取りをうっかり見れば良いのに。
そんな底意地の悪い思いで控室にスマホを投げておいた。
案の定、ケイタがそのやり取りを見たということは数時間後にわかることになるんだけど。
そんな不安定な情緒のまま、華の部屋に行ってしまったのがそもそもの間違いだったのかもしれない。