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タワーマンションの恋人
第22章 * romantic rival
華を通してケイタが見える気がして。
華はもしかしたらケイタが好きなのかもしれないとか、そんな色んな感情が渦巻いてその日は冷静で居られなかった。
それでも、華は優しくて察しが良すぎるくらい察しが良いから何も聞かずに受け入れてくれたんだと思う。そんなところが好きなのに、尊敬できるところなのに、今日だけはそんな所すら、こ慣れてみえてしまって俺の苛立ちを掻き立てたんだ。
何度も抱くうちに優しくなんてだけなくて、苛立ちを叩きつけるみたいな抱き方になって、それでも何も言わないで俺の手を、指を、子どもみたいに探しては握る華を愛しくて大切に思う気持ちに比例して、嫉妬と行き場の無い息苦しさが怒りに近い感情になって彼女をひどく抱いた。
もう何度目の交わりだったのか、彼女の綺麗な髪が汗で身体に張り付いていた。
疲れ果てたのか溶けるような視線で俺の目を見る華はやっぱりそれはそれで綺麗で。
華奢なのにしっかりとメリハリのある身体の曲線が好きで、彼女の背中をそっと撫でた。
その時だった、サイドボードにあった華のスマホが音を立てたのは。
普段は鳴らないスマホがなったのはサイレントにし忘れた華のミスなのか、偶然のいたずらなのか。