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タワーマンションの恋人
第23章 * double bind
それから数日後だった、奥原さんから電話があったのは。
華ちゃんのNGが無くなったという連絡。
嬉しくて、すぐにでも予定を入れたかったんだけど
なぜか気が進まなかった。
あの部屋に行くことが、ひどく白々しいことに思えてなかなかスケジュールを入れることが出来なかった。
考えあぐねて奥原さんにひとつだけ、相談をした。
「奥原さん、お願いがあるんだ。華ちゃん、1日空いてる日と俺のオフが被る日、調整してくれる?」
なんとか今月に1日だけ休みが合う日があったらしく、予定を組むことが出来た。
丸1日、彼女の時間をもらうことが出来た。
俺は俺のやり方でもう一度、彼女と向き合いたかったんだ。