この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タワーマンションの恋人
第23章 * double bind
「ハルキ何やってるの?!だめだよ、こんな…わたしは部屋の外ではハルキに会っちゃいけないんだよっ!こんなのバレたらクビだし…ハルキだって、」
「大丈夫、大丈夫。華ちゃん落ち着いて?」
「なんで?大丈夫じゃないよね?」
「大丈夫、絶対誰にもバレない自信あるから!」
そう伝えると華ちゃんは眉をハの字にしてから笑いだした。
「もー!それ大丈夫って言わないんだけど?!」
「でも、もう乗りかかった船!ってよく言うでしょ?あとには退けませんよ?」
「まさかハルキが車運転できるなんて…」
「大人ですから、一応。もし、あの部屋クビになったらさ?俺が養ってあげる。だから心配しないで?」
「へっ?」
力ない声を出してこちらを向いた華ちゃんの髪をそっと撫でる。
「一応、そんな覚悟で今日は華ちゃんを連れ出そうと思ってます。俺は。」
「…ハルキっ、」
「行きたいところがあるんだ。付き合ってくれる?」
「……うん、」
部屋から彼女を連れ出そう、これが俺なりの華ちゃんとの向き合い方だった。