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タワーマンションの恋人
第23章 * double bind



「ハルキ何やってるの?!だめだよ、こんな…わたしは部屋の外ではハルキに会っちゃいけないんだよっ!こんなのバレたらクビだし…ハルキだって、」


「大丈夫、大丈夫。華ちゃん落ち着いて?」


「なんで?大丈夫じゃないよね?」


「大丈夫、絶対誰にもバレない自信あるから!」

そう伝えると華ちゃんは眉をハの字にしてから笑いだした。


「もー!それ大丈夫って言わないんだけど?!」


「でも、もう乗りかかった船!ってよく言うでしょ?あとには退けませんよ?」


「まさかハルキが車運転できるなんて…」


「大人ですから、一応。もし、あの部屋クビになったらさ?俺が養ってあげる。だから心配しないで?」

「へっ?」

力ない声を出してこちらを向いた華ちゃんの髪をそっと撫でる。


「一応、そんな覚悟で今日は華ちゃんを連れ出そうと思ってます。俺は。」


「…ハルキっ、」


「行きたいところがあるんだ。付き合ってくれる?」


「……うん、」


部屋から彼女を連れ出そう、これが俺なりの華ちゃんとの向き合い方だった。






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