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タワーマンションの恋人
第23章 * double bind
「華ちゃんの辛さとか、寂しさとか、俺にも共有させてよ。今の華ちゃんを俺は好きになったんだから、余計なことはなにも考えなくていいよ。」
「ハルキはっ…なんで、そんなにわたしの心に入ってくるの?」
「んーなんだろう、華ちゃんが入ること許してくれたからかな?だから逃げないでよ。その好きすぎる気持ち俺にちょうだい?」
そう言うと彼女は涙で濡らした顔を上げて「うん、あげる。わたしの気持ちハルキにあげる。受取ってくれる?」
そう言って涙を流すから、どちらからともなくキスを交した。
深く重ねた唇は熱くて、懸命に求めてくれる彼女が可愛くて息継ぎも出来ないくらいに求めた。
「っ…はぁ、」
苦しそうな吐息でこちらを見つめる彼女の綺麗な髪をそっと片側に寄せてそこに唇を這わせた。
「っ…まって、ハルキ、誰か…来たらっ、」
「大丈夫、怖いくらいに俺らしかいないでしょ。」
真っ暗闇、あるのは遠い夜景の灯りと静寂だけ。
お互いの呼吸の音すら闇に吸い込まれていく感覚。