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タワーマンションの恋人
第4章 * シオン




そう伝えるとパタパタとキッチンに入ってきた。


「…なら、お姉さんの話も聞かせてよ。」

「え?!いいよ、つまんないし。ただ、自分を取り巻く全部に腹立てて、自分に群がる異性もバカだと思って遊んでた。友達にもそれなりにノリとかは合わせるけど、本当のわたしをわかってくれる人なんて居ないと思ってた。…寂しかった、かな。」


そこまで話して視線を上げると思いの外、そばにシオンが居て驚く。


「俺も、そんな気持ち知ってる。やっぱり、お姉さんエスパー?」

「違うってば、」
そう言って、ちょっと笑えばふわりと背中が重くなる。

「え…?どうしたの?」

「わかんない、ただ、今すげー抱きたくなった。」

シオンの長い指がクッキングヒータのスイッチを切り、もうすぐ沸きそうだった細身のケトルが不意に静かになる。

大きくて骨ばった手が背後から胸を包んだ。

「柔らかっ…」

シオンはわたしの髪をそっと片側に流して、頬にキスを落とした。

「いい?」

そう聞かれて、わたしは頷いてから少しだけ身体をひねって唇を重ねた。

すぐに熱い舌が唇をこじ開けて、入ってくる。

「んんっ…!」

思わず声が漏れたのは、揉んでいただけの胸に添えられた手が指でひっかくように尖端の愛撫に変化した。


「っ…脱ごっか。これ。」

そう言って唇が離れ、ワンピースのジッパーに彼が手をかける。

下まで降ろされたのを確認して、わたしは袖を抜いた。



パサッと音を立ててワンピースが床に落ちた。





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