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タワーマンションの恋人
第26章 * dog eat dog era
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ナナミさんの結婚が報道されて1ヶ月が経とうとしていた時、奥原さんから、とあるお誘いを受けた。
「ね、華。みんなが仕事してるところ観てみない?」
それは嬉しそうに、おもしろいイタズラを思いついた子どものような笑顔で奥原さんは言った。
「え?でも、それって…」
わたしは、この部屋から出て彼らに接触することは禁止事項だから、なんとも反応に困る質問だった。
「もちろん、堂々ってわけにはいかないけどね?やっぱり仕事してるあの子たちって、特別な輝きがあるのよ。それを華にも見てほしいなって。」
きっと、彼らがこの部屋で見せる顔とは違うのだろうと想像はしていたのだけど、まさかの提案に静かに胸が高鳴る。
「ご迷惑じゃなければ、ぜひ、観てみたいかも。」
そう伝えれば、奥原さんは嬉しそうに頷いて「了解!予定立ててみるわね!」と笑った。