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タワーマンションの恋人
第4章 * シオン
身支度を整えた彼がリビングにやってくる。
「シオンって、朝ごはん食べないでしょ。」
「え、なんで知ってんの?」
「なんかそんな気がした。わたしも朝食べれないし。」
「やっぱ、エスパーじゃん」
そう楽しそうに言ってクスクス笑うシオンの顔は無邪気で歳相応ですごくかわいい。
アーモンドアイをクシャッとして猫みたいに笑う顔をみていると、きっとこれが素の顔に近いんだろうな、なんて彼をもっと知りたいような、見守っていたいような気持ちになる。
「お腹減ったら、食べて?要らなかったら捨てていいから。」
そう言って紙袋に入れたサンドウィッチを渡すとキョトンとする彼。
「作ってくれたの?」
「わたしのお昼ごはんのついでにね?わたしのお昼、サンドウィッチだから。それは余り。」
「もー素直じゃないねー。ありがとうっ!俺、単純だからこういうのめっちゃ嬉しいっ」
そう言ってクシャッと笑うと彼はソファに腰掛けて、わたしに手招きをする。
あと15分で送り出さなくてはならない。
時間を無駄にしたくなくて、小走りで近づく。
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