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タワーマンションの恋人
第4章 * シオン
「そんな顔で見んなよ。」
「だって、」
「次会うまで、そうやって悶々としてて。」
また無邪気に笑って、そっとおでこにキスをした。
「え…?」
「また来るね、華ちゃん。」
「…初めて、名前呼んでくれた…」
「俺、気に入った女しか名前覚えない主義だから。あ、今度は華ちゃんの話、聞かせてね。じゃあまた。」
そう言って彼は柔らかく笑って出て行った。
壁に寄りかかり、深呼吸をする。
身体は立ってるのも辛いほど疲れてるし、だるい。
だけど、笑顔で出て行くシオンを見て、少しだけ満たされたような、温かい気持ちになったのも事実だった。