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タワーマンションの恋人
第5章 * ハナ
かっこいい彼氏と初体験を終えた自分。
その特別感だけがわたしの中では大切だった。
でも、初体験を終えて知ったことがひとつ。
人肌が愛おしいということ。
肌と肌で体温が行き交うだけで守られているような気持ちになった。
「好き」とか「愛してる」なんて言葉も素肌の腕の中では信じられる気がした。
綺麗な人の腕の中に居られると自分まで特別になれる気がした。
そんな人に守られている、愛されていると錯覚できる間だけが、幸せだった。
わたしの見つけた、特別だった。
世の中に「抱かれたい男ランキング」なんてものが存在していることが物語っているように、
女の思考の中で、抱かれたい男とそうじゃない男が存在する。
もうこの頃からわたしは、みんなが、周りの人が、
羨む人に抱かれる女で居たかったんだ。
そういう心理の元であるならば、
今与えられた仕事はきっと、とても理にかなっている。
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