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タワーマンションの恋人
第5章 * ハナ
ずっと、宙ぶらりんだった。
わたしの居場所はどこなんだろう、ずっと探していた。
ここに来て、やっと見つけた気がする。
都内の中心部にあるタワーマンションの24階。
バルコニーからは、東京中の光を集めた様な夜景が広がる。
その景色も、わたしを少しだけ特別な気分にしてくれる。
(ピンポーン)
部屋からインターホンの音がする。
急いで玄関を開ければ、そこにはいつも夜景に負けない輝きを放つ男の子が立っている。
「待ってたよ。」
「ハナちゃんっ。」
こうして、日替わりでやってくやる男の子の腕に納まり、体温を交わせば満たされる。
そうして、いつも実感する。
やっと見つけた、ここがわたしの居場所なんだって。
そうして今日も、仕事が始まる。
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