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タワーマンションの恋人
第8章 * ハルキ





ハルキの優しさはわかりやすく素直で思わず甘えてしまいたくなる。


「ハルキって、なんでそんなに優しいの?」

「別に俺は優しくないよ」

困ったように笑うハルキに続けて問いかけて見た。


「優しいついでに、ハルキにお願いがあるんだけど。」


「ん?どうしたの?」


「ぎゅーしてくれる?」


そう呟けば、視線を下げつつ困ったように自分の髪に触れて「…困ったなあ」と漏らした。


「ったく、しょうが無いなぁ。華ちゃんは!」
そう言って戯けてから、そっと抱き寄せてくれた。


その肩幅は守られてる気がしてすごく安心して何故か泣きそうになった。


「華ちゃんも、大変なんだよね。無理してるっしょ。」

「ハルキのぎゅーは安心する。会ったばっかりなのになんでだろうね。」

「んー?地元が一緒だからじゃない?」
そう笑うハルキの声が胸を通して伝わってくる。


彼の腕の中は、まるでパズルのピースがはまるように居心地が良かった。
離れたくなくて、ぎゅっとしがみつけば「どうした?」と優しい声が降りてくる。


「無理、しなくていいから。一人になりたい時とかは、俺が来てる間、ゆっくりすれば良いよ。寝てもいいし、好きなことして?俺は適当に時間潰すし。華ちゃんには、なにも望まないから。」

「なんで…?そんな優しくしてくれるの?」


「ちょっと、守りたくなっただけ。華ちゃんってほっとけないじゃん?なーんてね。」

最後の一言は少し戯けてそう言ったハルキは優しく背中を撫でてくれた。




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