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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第2章 「老婆と手毬唄」
ウチの裏の井戸端でぇ
老婆が三人集まってぇ
一人の老婆の言う事にゃ…
老婆は呆然と立ちすくむ2人の方など一度も見ることなく通り過ぎ、2人が歩いてきた山の方へ歩いていった…
「何だか気味の悪い婆さんでしたな…」
「唄ってたのは童謡でしょうか…」
珍田一は磯毛警部に問いかけた
「ふむ…そのようですな…」
ゾクゾク…
その様子を見た珍田一と磯毛警部は、ただならぬ気味の悪い雰囲気に身体をこわばらせたのだった
あの老婆は一体何処に向かっているのだろうか?
この先に民家などあったであろうか?
陰核寺の先に伸びる道など果たしてあったのだろうか
考えれば考えるほど不気味な老婆との遭遇に、二人は知らず知らずのうちに口数が少なくなってしまっていた