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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第1章 「鬼頭村の美女達」
午後になると、ここを紹介してくれた磯毛警部も夏期休暇をとって珍田一に合流した
「どうですか珍田一さん…結構良い村でしょう」
「ええ…そうですね。のどかだけど、辛気臭くなくて…なんかこう…戦前の日本に戻ったような感じですね…。それに…」
「それに…?」
「旅館の女将も別嬪ですしね…イッシッシッ…」
「ガハハハ…そうでしょうそうでしょう!ワシなんか何度、夢の中で破廉恥な行為に及んだことか…」
この二人、とにかく女好きなのである
そんな二人が村の食堂で遅めの昼食をとっていると、通りから若者たちの賑やかな話し声が近付いて来る
どうやらこの食堂に入ってくるようである
案の定…間もなく食堂の入り口から5人の若い男女が入ってきて、閑散としていた店内はたちまち賑やかになった
「おばちゃん、氷イチゴ6つ!」
男女で2つの座敷に別れて座るなり、勢い良く注文したのは辰雄だった