この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第8章 「雷雨」



『父は事故死ではありません』



美しい文字でそう書かれていた


珍田一は息を飲んで凛の顔を見つめた



「もしかして…殺されたんですか…?」



凛は先程までと同じように小さく…だが力強く頷いた



珍田一は筆談を交えて、凛から当時の詳しい話を聞いた


凛の父・省吾は、ある男の手によって崖から突き落とされた…という事らしい


犯人が誰だかは暗くて判らなかったが、父と言い争っていた犯人との会話の内容から、もしかすると犯人は凛の本当の父親かもしれないというのだ



珍田一は想像した…


僅か10歳の少女が父親を殺されるところを目撃したのだ…


しかも犯人は自分の本当の父親かもしれない…


それは残酷で耐えがたい出来事だったはずである



「凛さん…凛さんは、犯人が…本当のお父さんが誰なのか知りたいですか…?」


「…」


凛は戸惑っていた…


珍田一の目の前に正座して、太腿の上に乗せた白い手の甲を静かに見つめている


凛の白い手の甲に薄っすらと青い血管が透けている



犯人は知りたいけど、父親を知るのが怖い…そう思っているのかもしれない


暫く沈黙は続いた


勿論、しゃべる事の出来ない凛が相手なのだから、珍田一が口を開かなければ永遠に沈黙は続く







/98ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ