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裸の傑作
第8章 ブルーになる日
優しい薫はしの子を心配し、家まで送ると言った。
「大丈夫、一人で帰れるよ」
しの子は空元気で笑ってみるけれど、体は鉛のように重く気分は最悪だった。
「でも、俺、しの子さんが心配だよ」
「タクシーで帰るから、大丈夫」
しの子は薫を振り切り渋谷の街を歩き出したが、人ごみに揉まれ足元がふらついてしまった。
「やっぱり危ないよ」
薫はしの子の手を取り、そっと抱き寄せた。
そのとき、しの子はこみ上げてくる涙を堰き止めることができなかった。
薫のことがあまりに好きすぎて、離れることなんてできない、でも彼に迷惑はかけたくない・・・!
「どうしたの、しの子さん何か変だよ」
薫はしの子の涙を指でぬぐいながら言う。
「辛いなら、病院にいく?」
しの子は首を横に振った。
「大丈夫。たぶんすぐよくなると思う」
「じゃあ、少し俺のうちで休んでいく?すぐ近くだから。」
しの子は首を縦に振った。
ああ!すぐにでもその手を振りほどいて去らないといけないのに!
あと少しだけ、薫君と一緒にいたい・・・!
しの子は、薫の手を強く握った。
「大丈夫、一人で帰れるよ」
しの子は空元気で笑ってみるけれど、体は鉛のように重く気分は最悪だった。
「でも、俺、しの子さんが心配だよ」
「タクシーで帰るから、大丈夫」
しの子は薫を振り切り渋谷の街を歩き出したが、人ごみに揉まれ足元がふらついてしまった。
「やっぱり危ないよ」
薫はしの子の手を取り、そっと抱き寄せた。
そのとき、しの子はこみ上げてくる涙を堰き止めることができなかった。
薫のことがあまりに好きすぎて、離れることなんてできない、でも彼に迷惑はかけたくない・・・!
「どうしたの、しの子さん何か変だよ」
薫はしの子の涙を指でぬぐいながら言う。
「辛いなら、病院にいく?」
しの子は首を横に振った。
「大丈夫。たぶんすぐよくなると思う」
「じゃあ、少し俺のうちで休んでいく?すぐ近くだから。」
しの子は首を縦に振った。
ああ!すぐにでもその手を振りほどいて去らないといけないのに!
あと少しだけ、薫君と一緒にいたい・・・!
しの子は、薫の手を強く握った。