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しゃぼん玉色した彼
第2章 単純な興味
ウキウキしていると、急にガンっと大きな音がしてビクっと体が揺れた。
思わず足を止めて周りを見渡す。
すぐに聞こえてきた声。
「ふざけんなよ!下っ端のくせに粋がってんじゃねえ!」
誰に言っているのかはわからない。
喧嘩?あの路地裏かな。
薄暗くてよく見えないけれど、何人かで一人を囲んでいる。
た、助けないと!
「お、おまわりさーーーん!喧嘩でーーす!!」
私が大きな声でそう言った。どうやら、この機転は功を奏したらしい。
囲んでいた数名がそれを聞いて慌てて逃げ出した。
「ちっ、今度店に来たら承知しねえからな!」
そう言葉を残して。
誰もいなくなったのを確認してから、私はおそるおそる倒れている人物に近寄った。