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しゃぼん玉色した彼
第2章 単純な興味

ズルズルと足を引きずって歩く彼は数歩進んだところで歩みを止めて背中を丸めた。
ガクッと膝が地面に着いて私は急いで近付く。
「大丈夫じゃないですよね!?」
「……はあ、うるさいんだけど。構わないでくれる?」
「そんなわけにいかないです!だって、ケガしてるし」
「いいの、自業自得だから」
「それって下っ端だからってヤツ……?」
「……聞いてたわけ。悪趣味」
「聞いてたんじゃなくて、聞こえてきたんです!」
「どっちにしろ、無視しておけばよかったじゃん」
「そ、それはそうだけど」
無視したら夢見が悪いというか。
あんな嘘を信じてくれたからよかったというか。
「……はあ、じゃあ何。俺に貢いでくれんの?」
「え」
そう言うと、彼がぐっと私の腕を掴む。
急に触れられて心臓が大きく跳ねた。
「俺、ホストやってんの。ホスト。さっきのは店の先輩。
先輩の客に枕やったからこうなったわけ」
「……」
「あの店、クビになったし。あんたの家に住ませてくれるっていうなら言う事聞くよ」
「住む、って」
「寮だったから俺今日から住むとこない」
「え!?」
 

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