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しゃぼん玉色した彼
第3章 奇妙な同居生活

「ダメです。俺飲みます」
「は。だって飲めないって」
「これは俺が全部飲むんです!」
「はあ、そう。よくわからないけど、どうぞ」
私は首を傾げながらも、飲むと言っているならいいかと自分のデスクへと戻って行く。
椅子を引き、今日のスケジュールを確認する。
十三時から企画会議か。
あー今日は部長いるのか。長くなりそうだなあ。
大澤部長というダメ女部長がいるんだが、仕事はろくにしないくせに口出しだけは一丁前。
上司への接待だけ一生懸命やるっていう人。
嫌いな部下も多い。
それでも部長という肩書きがある手前、誰も強くは言えず従う他ない。
お局の中のお局というところだろうか。
見た目は普通なんだけどね。
「下野主任」
「ん?」
手帳を確認していると、逢坂くんが声をかけてくる。
どうやら顔を洗いに行ったらしい。さっきよりも顔がシャキッとしていた。
「この企画が終わったらメシでもどうですか?」
「え」
メシ? 私と?
目をぱちぱちとしながら私は「私でいいの?」と尋ね返した。

