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第1章 新居
寝室のドアを開けると、あの水槽が置いてあり青い光を放っている。
この部屋には腰高の窓が1つあるだけで、そこには消音と遮光を兼ねたゴツめのカーテンが掛けてある。
入口側の壁には、リビングに置けなかった本棚が並んでいる。
その真ん中にダブルベッド。

少しイビツな形の部屋なのもあって、あまり空いたスペースはない。
この部屋は、あまりリノベーション時に手を加えられてないようだった。

天井が高いので圧迫感はないものの、ドアを開けるとすぐベッドになる。

そのベッドに優しく寝かされ、そのまま手がバスローブの上を移動し腰紐に手が掛かる。
稜の唇は顔を食みながら首筋に移動してゆく。

「んっ...んあっ、りょ...うふんっ」

少し深く吐いた吐息ごと唇が吸われて、ねっとりと舌が侵入する。

包み込むような優しい舌遣いに翻弄されているうちに、太股から這い上がった手がバスローブを肌けさせる。

「羚汰?ね、も、寝よ?明日が...」

言葉とは裏腹に、稜の手も羚汰のバスローブを撫でている。

「昨日もその前もガマンしてたんだから、今日は逃がさない」

滑るように肌の上を移動した羚汰の指が、胸の膨らみを捉えゆっくりと手の中に収める。

「すごい、すべすべ」

しっとりとした肌に、羚汰の手が吸い付くようだ。

「んはぁ...」

ただ胸を撫でられて、首筋にキスを落とされているだけなのに、その気持ちよさに声が出てしまう。

「すごい、綺麗だ...」

手がまた肌の上を移動して、バスローブを脱がせてゆく。

ゆっくりと、焦らすように。

バスローブが肌を滑る感覚さえ、官能的に感じてしまう。

「はぁ...羚汰っ。羚汰も、脱いで...」

羚汰の腰紐に手を伸ばすものの、なかなか解けないのだ。

「ん」

羚汰は体を少し起こすとするりと脱ぎ捨て、稜の体に肌を重ねた。

滑らかで暖かいその肌と肌を滑らせるようにして、腕や足を絡める。

互いの体を抱き寄せて見つめ合うと、ゆっくりと唇を重ねた。

水槽の中で酸素がこぽこぽと規則的な音を立てている。

その音が聞こえるくらい、静かにゆっくりと舌が動いてゆく。

キスしては見つめ合って、またキスして。

互いの手で相手の肌を撫で回す。

早急に繋がった風呂場でのセックスとは真逆のゆっくりとした時間に、また違う幸福感に包まれる。




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