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第1章 新居
体を預けていたら羚汰がリラックス出来ないかと思って離れたのに、すぐ引き戻されてしまった。

しかも今度はカナリきつく抱きしめられる。

同時に肩から首筋にかけて羚汰の唇が這い上がる。

「...んっ」

「離さない...」

耳元で、さっきと同じ台詞を格段に色気のある声で囁く。

その声と吐息にぞくぞくして、続けて耳を舐められるその感覚に体が震える。

「...っ、りょぉ...た」

自然と顔が近づいて、ゆっくりと唇が重なる。

吐息ごと吸い込まれ、それから舌先が触れる。

ちゃんと振り向いて、もっと深く絡めたいのに、後ろから伸びた羚汰の手が稜の胸を揺らし始めた。

「ぁ...んっ...」

円を描くように動く指に、稜は手を伸ばす。
するとその手が掴まれて、ぐるりと体が入れ替わった。

稜の背中が浴槽の背もたれに寝かされる前に、羚汰の舌が深く挿入され、稜も必死でそれに応える。

もうどのくらい回数したか分からないが、いつまでたっても羚汰のテクニックには敵わない。

口内をかき回され、深いところで舌が絡まって、全てを持っていかれそうだ。

頭がぼうっとして、体の力が抜けてしまう。

力が抜けた稜とは逆に、羚汰の舌が今度は胸の上で躍動し始める。

指で形を変えながら、水面から僅かに出た胸先を舌で転がして吸い付く。

「...んはっ、あうっ」

浴槽にある手すりを掴もうと、胸を突き出すように稜が悶えてしまう。

そんな稜の体を抱きしめるようにして、音を立てて羚汰がもう片方の胸に吸い付き、舌がその先を絡めとる。

羚汰の頭に手を伸ばし、抱き寄せた。

2人とも恐らくずぶ濡れだが、そんなことは気にならない。

動く度にお風呂の水面が音を立てて水しぶきが上がり、嫌らしさを増幅させている。

羚汰が、口に含んだまま下から稜を覗き込む。

色を帯びた瞳に、稜の呼吸が一瞬止まる。

稜を欲してやまないその瞳に、稜の身体が益々熱くなる。

引き込まれるように顔を近づけて見つめ合う。

ふっと羚汰が笑って、いつものように唇が撫でられる。

「まだ、離れたい?」

急いで首を振る。

っていうか、離れたいなんて一度も...。

そう言おうとしたのに、唇が塞がれて同時に舌で翻弄される。

「ごめ...。も、入れたいんだけど、い?」

余裕があると思っていた羚汰の息が耳元で上がっている。
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