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調教ごっこ
第2章 調教ごっこ

「ま、待ってよ──」

 立ち上がろうとする悠樹を、悠香が慌てて止める。
「やめるなんて言ってないわよ……。ただ、は、恥ずかしいって言っただけだから……」

 確かにやめるとは言っていない。
悠香の言葉は正論だった。
なのにどうだろう、悠樹を引き止めた今、悠香は惨めな敗北感を感じていた。
そしてそれが、無性に心地良かった。
トロリと熱い雫が溢れる。悠香は自然と下を向いた。

 
 「ふーん、つまり姉ちゃんはさぁ──」

 クスっと笑い、悠樹がその顔をのぞき込む。
「もっと恥ずかしいことして欲しいってことなんだね?」

 ドキンと胸が弾み、悠香は大きく目を見開いた。

 
 言えない……そうですなんて───
 恥ずかしすぎて言えないよ……
 もっと虐めて欲しいなんて……
 だめよ、だめだめっ───


 「ほら素直に言えよ。恥ずかしいこともっとしたいって……いや、違うな。もっと虐めてくださいって言えよ、ほら」

 悠樹の腕が再び肩を揺らす。

 「も、もっと……もっと──いじ……」
 「はあ?聞こえないぜ。はっきりと喋れよ、もっと虐めてくださいって」
「わ、わかったわよ……。言うわよ、言うからね──も、もっと……もっと虐めてください」

 堪えきれず悠香は屈辱の言葉を口にした。
小さな声だったが、その声はしっとりと濡れていた。
 
  
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