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第1章 悠香の秘密

　｢前から思ってたんだけどさ、年頃の男と女が一つ屋根の下にいながらエッチな事しないなんてもったいないと思わないか？｣

　冗談とも本気とも言えぬ悠樹の言葉に、悠香の顔がカーッと赤く染まる。

　｢な、何言ってんの……姉弟なんだから───するわけないじゃない｣
　｢わかってるよ。俺も姉ちゃんと恋愛する気なんかねーし。でもさ────主従関係ならありだろ？｣

　スッと伸びた悠樹の腕がグイッと悠香を抱き寄せた。
抵抗する間もなく近づく悠樹の顔に、悠香の胸がドキンと高鳴る。
悠樹の言葉がなおも続く。

　｢ちょっと試しにさぁ、“私は奴隷です”って言ってみてよ｣
｢え……？い、嫌よ、そんな｣
｢まあまあ、深く考えるなって。物は試しだからさ。ほら──｣

　悠樹の腕が肩をゆすり、早く早くと悠香を煽る。

　｢わ、わかったわよ……。わた、わ……私は奴隷です───｣