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調教ごっこ
第2章 調教ごっこ

「ほら、言ったわよ」と悠香は口を尖らせた。
怒っていたわけではない。
羞恥の表情を隠すためだった。
屈辱的な言葉を言い終えたあと、悠香は一瞬だったが確かに快感を感じたのだ。
そんな悠香の心を見透かしたかのように、悠樹が抱き寄せる。
「どうよ、今の気持ち。悪くないだろ?」
「どうって……は、恥ずかしいよ……」
「それだけ?」と、悠樹が顔をのぞき込む。
「もっと素直になれよ。ドMってのは素直じゃなきゃ駄目なんだよ。姉ちゃんドMだろ?ほら、感じた事を正直に言えよ」
「うっ……ま、まあ、案外悪くはないかな……」
悠香の表情がフワリと緩む。
喉のつかえが取れたような安堵感を悠香は感じた。
と同時に、被虐の炎が悠香の身体を微かに焦がし始めていた。
クスっと悠樹が笑う。
「だろ?素直に言えばいいんだよ。じゃあ、次のステップにいくぜ」
「え?もう恥ずか────」
恥ずかしい─と言おうとしたその時、全く予想外の出来事が悠香を襲った。
力強く抱き寄せる悠樹の腕、そしてスローモーションのように近づく悠樹の唇。
柔らかな温もりを悠香は感じた。
それは一瞬のようでもあり、数時間のようにも感じた。
ハッと気づいた時には、目の前で悠樹が涼しい顔をしていた。

