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第2章 食事
タカダが食べ終えても、チヨの前にはまだ半分以上もオムライスが残っている。
緊張のせいか、体を巡る快感のせいか、食べる気がおきない。

食べ終わったタカダは、楽しそうにチヨをひたすら見ている。

「どう?おいしい?」

「はい。でも、もう、お腹いっぱいです」

「まだ半分残ってるよ?」

「でも…」

「ま、しょうがない。コーヒー、飲む?」

これ以上、ここにいたら、どうなるかわからない。
チヨはなんとか早く外に出たくて首を振る。
なのにタカダは知ってか知らずか、じゃあ俺だけ、と言って店員を呼んだ。

コーヒーが届くまでの間、二人は沈黙を続けた。
ただ、タカダはチヨの反応を見ながらポケットの中でリモコンの強弱を操る。

その度に泣きそうな目でタカダを見つめるチヨに、タカダは楽しそうに笑うのだ。


タカダがコーヒーを飲み終わる頃には、チヨは明らかに息があがっていた。
周りは食事に夢中で気がついていないが、チヨはそれどころではない。


「どうする?もう限界みたいだね?とりあえず、ここでイっておく?」

チヨは必死に首を振る。
今でも声を我慢するのに精一杯なのに、無茶すぎる。


「…もう、無理です…」

「はは、ごめんね、いじめすぎたね。じゃあ、出ようか」


タカダはやっとスイッチを切った。

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