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第21章 帰路
「はぁ、あったかいー」

湯船につかり、ようやくチヨは目が覚めた。

昨夜は闇に閉ざされていた景色が、目の前に広がる。

日の出を待ちわびた空はうっすらと青みがかり、それでも視線を下に落とせば、オレンジ色の空が雲をたなびかせていた。

「なんか、朝焼けと夕焼けって、似てるのに。全然ちがう」

チヨの感想に、タカダは腕の中のチヨを優しく包む。

一晩寝て、渦巻いていた欲求は消えていた。
タカダも昨日と変わらず、チヨに何かする気配はない。
それでも昨日とは違い、足の間にチヨを座らせ、柔らかな肩に顎を乗せていた。

「あっ」

二人同時に声を出す。

オレンジの空に光が真横に伸びる。
でもそれは一瞬で。
まばゆいような朝日がキラキラと川に反射しながら流れていた。
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