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第21章 帰路
来た道を同じように車は走る。
しばらくすると、ウィンカーを出してタカダはとある店に車を停めた。

「あの、ここ…」

チヨは予想もしていなかったその場所に、焦ったようにタカダを見やる。

「ごめんね、約束だから俺ちーちゃん気持ちよくしてあげられないし。てかちーちゃんが発情すると思わなくて何も用意してなかったからさ」

タカダはエンジンを切り、シートベルトを外す。

「寄りたいとこって、まさか、ここ…?」

「うん。来る途中に確かあったなぁ、と思って。良かったよ、見間違いじゃなくて」

動けないチヨを気にせず、タカダは車を降りる。
そのまま助手席の方へ回り込むと、ドアを開ける。

「ほら、行くよ」

「あの、でも、え…」

躊躇うチヨの体からシートベルトを外すと、タカダは強引にチヨの手を取り車から降ろす。

目の前には、真っ黒な建物。
大きな看板には、白いペンキで塗られたアダルト、グッズ、DVDの言葉が並ぶ。

チヨは動転しながらも、なぜか拒否することもなくタカダに連れられるがままその店に入った。
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