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サイトの人
第23章 ハプニングバー
薄暗い廊下の一番奥、真っ黒く塗られた扉の横のインターホンを押すと、少し待って女性の声がする。
合言葉のようなやり取りをして、ようやくその扉は開いた。
入るとすぐに、もう一枚の扉。
こちらは真っ白に塗られていた。
閉ざされた扉の前で待っていると、そこから30代くらいの化粧っ気のない、地味な女性が現れた。
ひっつめた髪はプリン状態で、こういった場所には不自然なほどの出で立ちをチヨは驚いたように眺めた。
その視線に気がつくこともなく、マンションの玄関のようになったそこで、タカダは身分証を見せ誓約書のようなものを書いている。
チヨは何をしているのかわからず、所在無げに立ったままだったが、女性もチヨを気にすることもなく、一通りの儀式を終える。
「今日はまだ人少ないので。空いてる席ご自由に座ってください」
ようやく白い扉が開けられる。
チヨは恐る恐る、タカダに続いた。
そこは思っていたよりも普通だけど、よくよく見るとそうでもなかった。
間接照明のオレンジ色の温かい光、壁や家具は黒や暖色系でまとまっていた。
カウンターにはバーらしく高めのスツールがいくつか並び、その横にはローテーブルと大きめの真っ黒なソファのあるボックス席が3つ。
その2つは先客がいた。
その奥には、入って来た時と同じように黒い扉がある。
キョロキョロとするチヨを連れ、タカダはカウンターの一番奥に座った。
カウンターには1組のカップルがいるだけで。
普通のバーみたい。
チヨは黒いシャツの店員からビールの入ったグラスを受け取りながら、それでもそわそわと周りを眺めた。
「まだ、早いみたいだね。しばらくはゆっくり飲もうか」
その言葉に、チヨはタカダのグラスに渡されたグラスを合わせる。
軽い乾杯の音をさせながら、長い夜が始まった。
合言葉のようなやり取りをして、ようやくその扉は開いた。
入るとすぐに、もう一枚の扉。
こちらは真っ白に塗られていた。
閉ざされた扉の前で待っていると、そこから30代くらいの化粧っ気のない、地味な女性が現れた。
ひっつめた髪はプリン状態で、こういった場所には不自然なほどの出で立ちをチヨは驚いたように眺めた。
その視線に気がつくこともなく、マンションの玄関のようになったそこで、タカダは身分証を見せ誓約書のようなものを書いている。
チヨは何をしているのかわからず、所在無げに立ったままだったが、女性もチヨを気にすることもなく、一通りの儀式を終える。
「今日はまだ人少ないので。空いてる席ご自由に座ってください」
ようやく白い扉が開けられる。
チヨは恐る恐る、タカダに続いた。
そこは思っていたよりも普通だけど、よくよく見るとそうでもなかった。
間接照明のオレンジ色の温かい光、壁や家具は黒や暖色系でまとまっていた。
カウンターにはバーらしく高めのスツールがいくつか並び、その横にはローテーブルと大きめの真っ黒なソファのあるボックス席が3つ。
その2つは先客がいた。
その奥には、入って来た時と同じように黒い扉がある。
キョロキョロとするチヨを連れ、タカダはカウンターの一番奥に座った。
カウンターには1組のカップルがいるだけで。
普通のバーみたい。
チヨは黒いシャツの店員からビールの入ったグラスを受け取りながら、それでもそわそわと周りを眺めた。
「まだ、早いみたいだね。しばらくはゆっくり飲もうか」
その言葉に、チヨはタカダのグラスに渡されたグラスを合わせる。
軽い乾杯の音をさせながら、長い夜が始まった。