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第23章 ハプニングバー
「うわぁ、ほんものの女王様」

女性はため息をつくように声を漏らす。

男性は縛られたまま足元でもぞもぞと動いているけれど、ここからはよく見えない。

「うちとは逆ね」

女性は連れの男性に微笑む。

「あなたも、私と一緒よね?」

どういうこと?質問の意味がわからず首を傾げるチヨの隣からタカダが答えた。

「あなたも、M?」

「ふふ、そうね。でも見られるのはそんなに好きじゃないかな」

「じゃあ、どんな?」

タカダは新しいターゲットを見つけたかのように女性と会話を続けている。
ヤキモチじゃないけど。
なんとなくつまらなくなり、チヨは店内を見る。

先ほどの女王様たちの横のボックス席では、男性二人、女性一人が座っている。
どういう関係かわからないけれど、隣の客に触発されたのか、一人の男性と唇を交わしている女性を、もう一人の男性が見つめていた。

「ね、ここからじゃ見にくいし。あっちのソファ移動しない?」

店員に声をかけると、四人は席を移動する。

三人がけのソファ。
先ほどと同じようにチヨを挟んでタカダと女性。
連れの男性はソファの隣の丸椅子に座った。

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