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第23章 ハプニングバー
「キスマーク、彼以外に初めてつけちゃった」

いたずらっ子のように笑う。
さっきはMって言っていたのに。
どう見てもタカダと同類にしか見えない。

女性2人のプレイが始まるのかと、席には視線が集まったままだったけれど、何事も起きそうにないと悟ったのか、徐々に店内は先ほどの空気を取り戻した。

「あーあー、俺もつけたことなかったのに」

「あら、ごめんなさい」

2人は楽しそうだけれど、チヨは気になってもう1人の男性を見る。
彼は無表情のまま、のんびりとタバコの煙を燻らせていた。

「1人でこれはかわいそうだし、貴方も脱いでみない?」

タカダは一か八か彼女に尋ねた。
女性は確かめるように連れの男性に目をやるも、彼は無表情のままだった。

「ふふ、さすがにこの後のお仕置きが怖いから、遠慮しておこうかな」

「そう、残念」

あれだけで、ダメってわかるんだ。
すごいな。
チヨはつい関心してしまう。

「私なんかよりも、彼女かわいがってあげたら?なんなら彼も貸すわよ」

「へぇ、じゃあそうしようか」

チヨは話の流れについていけずにタカダを見つめる。
すると、女性は立ち上がり、男性の手を取った。
チヨの隣にそのまま男性が座ったのを確認すると、タカダは満足げに笑う。

「あ、そういうことね」

「え、あの?どういうこと?」

チヨだけが理解できない。

「んん?2人の前戯に、付き合ってあげようか」

タカダはチヨに囁いた。
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