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第7章 原点

「女のコはみんなエンジェルですよ？ゲン、君を含む日本の男性は女性を褒めなさすぎです。」

「だ、そうだよ？」

師匠の答えに玄くんは呆れたような溜息を吐いて私を見た。

「ゲンはどうやって君を誘ったの？若いのに全然遊ばないからボクはずっと心配してたんだ。」

「アンタが遊びすぎなんだろ…」

玄くんがぽそっと呟く。

「ボクのワイフはとってもチャーミングでね、初めて会ったときは本当にエンジェルかと思ったんだ。彼女は初めて会ったとき、パンプスのヒールが壊れて困っていてね…」

師匠は聞いてもいない奥様との馴れ初めを嬉しそうに語りだした。

「だからボクは、『キュートなエンジェル、天国からの着地に失敗したの？』って聞いたんだ。」

…えっと。それって天使が地上に降りてきたって設定？
ヒールが折れて困ってるところを助けてくれるってすごく有り難いし、助かる。
でも実際自分がそんなこと言われたらきっと鳥肌が立つ…
どう反応したものか困って苦笑いした。
多分顔は引き攣ってたと思う。
玄くんも苦笑してた。
でも師匠の奥様はどんな反応したんだろう…