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女神の目覚め
第1章 女神の目覚め prolog
有沙さんはボンヤリと俺の背中を見つめてるはずだ。


無感情な瞳をして。




俺は部署に戻ると、
残っていた書類を一気に片付けた。









___________「おつかれー」「お先~~~」「え、お前まだ残るの?」
社内のあちこちから声が挙がる夜7時。


社員50名の小さな会社は、
謳い文句通り本当にアットホームな雰囲気。


『お疲れさまでーす!』
俺は捌けてゆく先輩がたに挨拶する。俺の部署があるフロアから階段通用口が見える。
声を飛ばした。


『おー桜井【さくらい】、
今日めちゃめちゃ必死に書類片してたな(笑)』
豪快に笑うのは直属の先輩・三橋【みつはし】。



『ヒヨッコは頑張らなきゃいけんですから(笑)』
方言を混ぜつつ笑い返す。

三橋は体育会系だ。

厳しいけど、ジョークやら下ネタを沢山話す。
よく喋るし誰に対しても全く物怖じしない。

ちょっと不器用・大人しめな俺にはありがたい存在。



三橋は頷き、
『じゃあ戸締まりもよろしくな!
俺はデートだから♪』
と足取り・口調も軽やかに出てゆく。




はーい、了解でーすと返事をしつつ、
掛け時計を見た。



よる7時05分。



有沙さんは強引に言えばOKするはず。



階段通用口も未だ通過してない。




俺は残業を少しして、
「まだ残る」という他の社員に施錠を頼み階段を駆け上がった。









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