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夢…獏の喰わぬ夢
第8章 変化

何となく近づき彼女を引き寄せて腕枕した。

「僕は君と一緒にいたい。」

「そのうち、お互いの夢の中でも会ったり行き来できるようになるかもね。」

先ほどと変わり穏やかな時が僕達を包んだ。

もう図書館にいかなくてもいい気分だったが、

「そろそろ行かない?」

彼女に促され、シャワーを浴びてそこを出た。

夕暮れの陽に包まれて気恥ずかしい思いのなか、彼女と街を歩いた。

図書館まで、彼女は馴染みの街を説明しながら歩いた。

図書館で僕は、how toものの本を集めた。
初心者の登山、宿、道具類など、

しかし、彼女は山の風景写真や、植物、動物の図鑑などをパラパラ見ている。

「宿に泊まるんだよね。」

「一泊はテントに寝てみたいの。」

彼女は、写真ばかり見ている。

「こんなところに行きたい。こんな所に夢で行ったから」

どうやら夢の記憶を元に行き先を決めようとしているようだった。

二人とも登山の経験がないので、場所も準備もイメージが湧かない。結局、それぞれが気になる本を借りて研究し、週末に相談することになった。

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