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夢…獏の喰わぬ夢
第9章 色
長いこと、その絵の前にとどまっていた。

もう一度

「見てみたいわ。」

と彼女が言ったことを、ぼぉっと聞いていて、
真意を汲み取ることも、
返事をすることもしなかった。


今回のデートは全て彼女にお任せで、この美術館にきたら必ず行くという和食でランチを済ませ、

近くの公園に行った。

ぐるっと散策して、定番のごろっと出来るところを探して横になる。


「絵や、視覚の話で頭がいっぱいいっぱいになっているよ。」

「少し休んだら?疲れてるみたいだし…」

「カップルってどういうデートしてるのかな…」

「気になる?」

「いや、ごろごろ怠けてばかりだなって…」

「自分たちのしたいことすればいいんじゃないのかな…

まずは、登山の準備よね。」

「あぁ…」

自然と遠退くように意識が途絶えていき、彼女の話の途中だったかもしれないが眠っていた。
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