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初戀 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 天使のなみだ
その日の夜、当麻はカフェの楽屋口で舞台終わりの綾香を待っていた。
…本当は今日は逢う約束はなかったんだけど…。
今朝の父親との苦々しい出来事に心が晴れず、気がついたら授業が引けると、カフェに足が向いてしまっていたのだ。
暫くして綾香が出て来る。
いつものように、ブラウスにスカートの地味な服装だ。
だが、その美しい顔は夜目にも光り輝くようで、当麻はいつも見惚れてしまうのだ。
当麻を見つけた綾香は驚いたように、その大きな瞳を見開く。
そして当麻に駆け寄りながら心配そうに尋ねる。
「どうしたの?なにかあった?」
「…ううん。なにもないよ。…綾香さんに逢いたくなっただけ…」
綾香は照れたように笑い、ちょっと当麻を睨む振りをし、囁く。
「…バカ…」
当麻は思わず綾香を抱きしめる。
「…綾香さん…!大好きだよ!」
「…望己さん…」
綾香の華奢な身体は当麻が力を込めたら砕けてしまいそうに細い。
麝香の香りがするその美しい肌に、触れてみたい欲望と闘いながら、当麻は綾香の美しい黒髪に口付けをする。
そっと身体を離し、綾香を見つめると、大きな黒い瞳がしっとりと潤んでいる。
…どうしてこの人はどこもかしこも綺麗なんだろう…。
当麻は綾香の滑らかな白い頬を優しく撫でながら尋ねる。
「…今日、バイト?」
「ううん。今日は臨時休業」
当麻の目が輝く。
「じゃあ、この後時間ある?」
「うん」
「じゃあ、一緒に食事して貰える?」
綾香は嬉しそうに頷いた。
「やった!どこに行こうか?僕は浅草はあまり詳しくはないんだけど…」
綾香がそっと口を開く。
「…望己さんが良かったら、母さんとよく行った洋食屋さんに行かない?」
「もちろん!」
望己は頷き、もう一度綾香を強く抱きしめた。
綾香は恥ずかしそうに身を縮めたが、おずおずと望己の背中に手を伸ばした。
…本当は今日は逢う約束はなかったんだけど…。
今朝の父親との苦々しい出来事に心が晴れず、気がついたら授業が引けると、カフェに足が向いてしまっていたのだ。
暫くして綾香が出て来る。
いつものように、ブラウスにスカートの地味な服装だ。
だが、その美しい顔は夜目にも光り輝くようで、当麻はいつも見惚れてしまうのだ。
当麻を見つけた綾香は驚いたように、その大きな瞳を見開く。
そして当麻に駆け寄りながら心配そうに尋ねる。
「どうしたの?なにかあった?」
「…ううん。なにもないよ。…綾香さんに逢いたくなっただけ…」
綾香は照れたように笑い、ちょっと当麻を睨む振りをし、囁く。
「…バカ…」
当麻は思わず綾香を抱きしめる。
「…綾香さん…!大好きだよ!」
「…望己さん…」
綾香の華奢な身体は当麻が力を込めたら砕けてしまいそうに細い。
麝香の香りがするその美しい肌に、触れてみたい欲望と闘いながら、当麻は綾香の美しい黒髪に口付けをする。
そっと身体を離し、綾香を見つめると、大きな黒い瞳がしっとりと潤んでいる。
…どうしてこの人はどこもかしこも綺麗なんだろう…。
当麻は綾香の滑らかな白い頬を優しく撫でながら尋ねる。
「…今日、バイト?」
「ううん。今日は臨時休業」
当麻の目が輝く。
「じゃあ、この後時間ある?」
「うん」
「じゃあ、一緒に食事して貰える?」
綾香は嬉しそうに頷いた。
「やった!どこに行こうか?僕は浅草はあまり詳しくはないんだけど…」
綾香がそっと口を開く。
「…望己さんが良かったら、母さんとよく行った洋食屋さんに行かない?」
「もちろん!」
望己は頷き、もう一度綾香を強く抱きしめた。
綾香は恥ずかしそうに身を縮めたが、おずおずと望己の背中に手を伸ばした。