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初戀 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第1章 Boy meets girl
「bravo‼︎日本も捨てたものじゃないな。こんなに綺麗で唄がうまいDIVAがいるんだから!」
当麻は尚も手を叩き続ける。
綾香は唇をぎゅっと結び、頬を紅潮させる。
恥ずかしがっているような、葛藤しているような、怒っているような…不思議な表情だ。
面白い事に眼がない悪友達も当麻に続き立ち上がり、拍手をし、口笛を鳴らす。
「カフェ浪漫に歌姫誕生だ!」
「bravo‼︎」
さっきまで揶揄っていた酔客達も白けたように席に座り始める。
「フン!…ブルジョアの学生達め」
腹立ち紛れに捨て台詞を吐く。
バンドマスターが、綾香に目配せし、軽快な歌謡曲のナンバーを奏で始める。
綾香は、ほっとしたように息を吐き、先程とは打って変わって陽気な表情で歌い始める。
客達も馴染み易いナンバーに手拍子を取り出す。
明るく呑気な雰囲気が漂い出し、当麻も胸を撫で下ろし席に座る。
隣りの友人が、肘で当麻を突っつく。
「なんだよ、当麻。いつもクールなお前らしくもない…」
「…もしかして、惚れたのか?あの美人のDIVAに」
にやにや笑う悪友達を尻目に、当麻は澄まし顔を決め込む。
「…さあね…」
綾香の明るくテンポのよい歌声に、心が弾む。
くるくると変わる表情が可愛らしくて、眼が釘付けになる。
当麻は生温いビールを飲み干しながら、片時も眼を離さずに綾香を見つめ続けていた。
当麻は尚も手を叩き続ける。
綾香は唇をぎゅっと結び、頬を紅潮させる。
恥ずかしがっているような、葛藤しているような、怒っているような…不思議な表情だ。
面白い事に眼がない悪友達も当麻に続き立ち上がり、拍手をし、口笛を鳴らす。
「カフェ浪漫に歌姫誕生だ!」
「bravo‼︎」
さっきまで揶揄っていた酔客達も白けたように席に座り始める。
「フン!…ブルジョアの学生達め」
腹立ち紛れに捨て台詞を吐く。
バンドマスターが、綾香に目配せし、軽快な歌謡曲のナンバーを奏で始める。
綾香は、ほっとしたように息を吐き、先程とは打って変わって陽気な表情で歌い始める。
客達も馴染み易いナンバーに手拍子を取り出す。
明るく呑気な雰囲気が漂い出し、当麻も胸を撫で下ろし席に座る。
隣りの友人が、肘で当麻を突っつく。
「なんだよ、当麻。いつもクールなお前らしくもない…」
「…もしかして、惚れたのか?あの美人のDIVAに」
にやにや笑う悪友達を尻目に、当麻は澄まし顔を決め込む。
「…さあね…」
綾香の明るくテンポのよい歌声に、心が弾む。
くるくると変わる表情が可愛らしくて、眼が釘付けになる。
当麻は生温いビールを飲み干しながら、片時も眼を離さずに綾香を見つめ続けていた。