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OLオクサマのふぇろもん
第7章 Scene.07
 
「お、お疲れさまです」

 振り返れば、にっこりと笑みを溢した霧島さんの姿。

「毎日大変ねぇ」

「い、いえ…」

 一歩近付いてくる毎に強まる甘い香り。

 撓わな胸を押し潰すように書類を抱え、いつ見ても変わりようのない美貌で微笑みながら話し掛けられる事に心拍数が上がる。

 それと同時に、倉庫で尻餅を着いて、パカッと開いた両脚の間から見えた赤いショーツが脳裏に浮かんだ。

「少しは仕事覚えたぁ?」

「そ、それがまだまだで………」

 吐息が吹き掛かりそうな至近距離。

 独特な間延びした口調に、しどろもどろになりながら答える。


…ち、近い……近すぎると思うんだけど………


 会社じゃなければ嬉しい状況。

 二人の上司が離れた席から、鋭い視線を向けていなければ舞いあがっているところだった。

「ふふっ。覚えること、沢山有るもんねぇ」

「は、はい。…が、頑張り…ます」

 ニコッと微笑んで離れていく霧島さんの後ろ姿に、思わず溜め息を洩らした。





 自席へと戻った途端、仕事の量が倍に増えたのは理不尽すぎる。
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